【News】仮想通貨に関わる税制について

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AssetCafe編集部

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GMOコインはGMOフィナンシャルホールディングスグループで培われた金融サービス提供のノウハウを活かし、安心して仮想通貨の取引ができる環境を提供している。今回、仮想通貨に関わる税制について、現状と今後の課題をTVやラジオなどでも活躍している公認会計士・税理士の山田真哉さんの解説を交えて紹介する。

■2017年 仮想通貨による1億円以上の収入があった「億り人」は331人
仮想通貨への投資によって1億円以上の資産を築いた方が「億り人」と呼ばれているが、国税庁の今年5月25日の発表によると、2017年に仮想通貨投資で1億円以上の資産を築いた方は、国内で331人とされている。また、国税庁は現状の仮想通貨投資の利益申告について、「おおむね適正な申告がなされたのではないか」とコメントしている。

仮想通貨という新しい金融システムの登場によって、従来よりも送金や決済などにおける利便性を向上させるための取り組みが行われている他、仮想通貨への投資によって億単位の資産を築いた個人が300人以上も現れるなど、経済に様々な変革をもたらしている。仮想通貨が普及するにつれ、税制上の取り扱い方についても、様々な議論が活発になってきており、直近では国内における法人の会計上の取り扱いについて、方針が公表された。また、個人については、現状は雑所得として確定申告することとなっているが、申告が適正に行われるためには、個人の方の理解を促進する必要があるといった課題が挙げられる。

※1 活発な市場が存在する場合とは?
活発な市場が存在する場合とは、仮想通貨交換業者又は仮想通貨利用者の保有する仮想通貨について、継続的に価格情報が提供される程度に仮想通貨取引所又は仮想通貨販売所において、十分な数量及び頻度で取引が行われている場合をいうものとされている。

出典:企業会計基準委員会「実務対応報告」
法人おける仮想通貨の会計上の取り扱いについては、今年3月14日に企業会計基準委員会より、会計処理及び開示に関する実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」が公表された。これまで、国内における仮想通貨を取り巻く法的環境は、2016年に「資金決済に関する法律」(以下、資金決済法)が改正し、仮想通貨が定義され、2017年には仮想通貨交換業者に対して登録制が導入されるなど、日々より安全で公正な取引ができるように法整備が進められてきている。
■実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」

■公認会計士・税理士 山田真哉さん 解説
1.仮想通貨の確定申告「計算方法」

個人の方の仮想通貨への投資によって得られた利益については、現状では雑所得として確定申告することになっており、自身で年間の損益を計算し、一定の利益が出ている場合には税務署に届け出る必要がある。以下に、個人の確定申告の際に気をつけるべきポイントなどについて、公認会計士・税理士の山田真哉さんの解説を紹介する。

山田 真哉(やまだ しんや)
一般財団法人芸能文化会計財団 理事長 公認会計士・税理士
内閣官房行政改革推進会議歳出改革WG委員
神戸市生まれ。公認会計士・税理士。大学卒業後、東進ハイスクール、中央青山監査法人(現・PwCあらた有限責任監査法人)を経て、(一財)芸能文化会計財団の理事長に就任。主な著書に、160万部のミリオンセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)、シリーズ100万部『女子大生会計士の事件簿』(角川文庫他)。現在はTBS『坂上&指原のつぶれない店』、文化放送『浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド』等にレギュラーを持つ。

2017年の確定申告ではどのようなことが問題となったか?
2017年は仮想通貨の価格が大きく変化しており、利益の計算がとても複雑になってしまった個人が数多く相談に来た。対応した私も初めてのことだったので、いろいろ勉強しながら個人の確定申告をサポートした。

複雑な利益計算をどのように処理したか?
各種提供されている自動計算ソフトを試しながら利益計算を行った。正直なところ、正確な数値がでないものや、取引所(仮想通貨交換業者)での売買記録をうまくデータとして取り込めないものがあり、悪戦苦闘した。試行錯誤した結果、私はクリプタクト社が提供している計算ソフトの「tax@cryptact※2」(完全無料)を勧める。tax@cryptactは、現在GMOコインを含めた16箇所の取引所、1,680種類の仮想通貨に対応しており、私が試したなかでは最も正確に損益を算出できたと考えている。
tax@cryptactの他にも、グランドリームの「Keiry※3」や、エンファクトリーの「Coin Tool※4」といった計算ソフトが提供されている。なお、自動計算ソフトは便利なツールだが、計算ソフトが対応している取引所でないと損益を算出できないので、あらかじめ計算ソフトが対応している取引所を利用することを勧める。

2.仮想通貨の確定申告「3つのポイント」
利益計算の方法について教えてください
仮想通貨投資による利益にかかる雑所得の計算方法は、移動平均法と総平均法の2つがあるが、計算法によって算出される利益の金額が変わる。原則は移動平均法で算出するが、総平均法でも問題ないというルールのため、算出の結果が自分にとって税率が低い方を選べる。(総平均法は継続適用が要件)
① 移動平均法:購入時の単価で都度、出た利益を算出
② 総平均法:全体の取引の平均で、利益を算出

2017年は「移動平均法」で利益が多く計算されるケースがほとんど
2017年はビットコインをはじめとする仮想通貨が大きく値を上げ続けた時期だったため、私の顧客では「移動平均法」の方が利益が大きくなるケースがほとんどだった。そのため、「総平均法」の方が節税になった。しかし、年によっては、逆のケースも十分考えらる。個人の方は、こうした計算方法も理解したうえで確定申告を行ってください。

確定申告で重要なポイントを教えてください
今後、税制が改定などにより変化してくるかもしれないが、今年の経験からすると以下の3つのポイントは非常に重要だと思う。

山田真哉さんの仮想通貨、確定申告「3つのポイント」
1.  自動計算ソフトと連動できる大手業者で取引を行う
2. 「移動平均法」「総平均法」それぞれの利益を算出してみる
3.  利益が出ていたら、必ず申告する

 

今後の仮想通貨の確定申告についてご意見はございますか?
現状は雑所得として課税される仮想通貨だが、税制の改定を提言している研究団体※5などもあり、よりユーザーが仮想通貨への投資に積極的に参加しやすいように税制が変わっていく可能性もある。利益計算で悪戦苦闘する現状を考えると、申告したくても正確に計算できない個人の方も多数いる。今年、個人の方の申告をサポートした私の立場から言うと、正しく申告できている人は、全体の10%程度ではないかと危惧している。仮想通貨を取り巻く環境が発展するに伴って、ユーザーも投資するにあたり、税制についても正しい知識を付け、課税の対象になっているものについては漏れなく申告できるようになることが大切だと思う。

※5 暗号通貨に関する租税制度研究会:「仮想通貨税制にかかる課題への税務専門家等有志による検討について」

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