【コラム】不動産投資 第十三話「敷金礼金ゼロ」鶴間正二郎

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

こんにちは、宅地建物取引士かつライターの鶴間正二郎です。不動産業界で19年間務めていたこともあり、裏も表も知り尽くしています。コラムでは、経験者だからわかる不動産の深い話をテーマとした記事を書いていきます。今回のテーマは、「敷金礼金ゼロ」について。

■「敷金礼金ゼロ」物件は本当に得なのか

賃貸条件を設定する際に必要な敷金、礼金等の不動産用語については以前ご説明しました。敷金と礼金の設定については経済情勢の変動により以前とはずいぶんと変わってきました。

◎最近増えてきた敷金礼金ゼロ物件

敷金は退去時の清算が済めば残りの全額を返還しなければならないお金ですが、退去時にも返還されることがないのが礼金です。以前は「敷金2か月礼金2か月」という条件が普通だったようですが、経済情勢の変動の中で賃貸物件も競争が激しくなり、筆者が賃貸物件の取引に従事した首都圏エリアにおいては礼金を取っている物件はあまり多くはありませんでした。

この傾向は更にエスカレートしており、最近では敷金までゼロとする物件が珍しくなくなっています。「敷金礼金ゼロ」というのは借主にとってお得感満載ですが、実際のところはどうなのでしょうか

◎「保証金」としての意味合いをもつ敷金

敷金とは入居前にあらかじめ払っておく「保証金」のようなお金です。退去時における原状回復の際に入居者負担分と認定されたお金はこちらから差し引かれますし、万一家賃の滞納があった場合もまず敷金から補填されます。

どちらかというと借主のためにあるような内容であるといってもよく、いくら競争が激しいからと言って敷金までゼロとすることはいかがなものかと思います。

◎決して得にならない敷金礼金ゼロ物件

礼金と違い、敷金までゼロにすることは借主と貸主の双方にとって得ではありません。

〇借主にとって得にならない

敷金は借主にとって保証金のようなものなのであり、ゼロが必ずしも得という訳ではありません。また退去後の部屋には次の募集に備えて必ず業者によるクリーニングが入りますが、この費用は借主負担となるのが通常です。通常は敷金から差し引きますが、敷金ゼロの場合は退去時に思わぬ出費ということにもなりかねません。

そういった事態を防ぐためたとえ敷金ゼロであっても「退去時清掃費用」という名目でなにがしかの金を契約時に諸経費として徴収したりします。

〇貸主にとっても得にならない

敷金ゼロというのは貸主にとっても得になることはありません。「敷金礼金ゼロ」という物件に飛びついてくるのはどちらかというと普通の物件を借りられない人が多く、その分だけ家賃の滞納や入居後のトラブルといった事態が発生する確率が高くなります。

◎敷金は取っておいた方がいい

賃貸条件の設定は難しいものがありますが、敷金は最低でも1ヶ月分取っておくことをお勧めします。借地借家法により借主は手厚い保護を受けており、一度問題ある借主に入居されてしまうと退去させるのはなかなか困難なのです。

この記事の著者

鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

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