【コラム】不動産投資 第十九話「キャンペーン」鶴間正二郎

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

こんにちは、宅地建物取引士かつライターの鶴間正二郎です。不動産業界で19年間務めていたこともあり、裏も表も知り尽くしています。コラムでは、経験者だからわかる不動産の深い話をテーマとした記事を書いていきます。今回のテーマは、「キャンペーン」。

■「閑散期」に実施される「キャンペーン」とは何か?

今回は賃貸住宅の世界で行われる「キャンペーン」についてお話します。世の中には引っ越しシーズンと呼ばれる時期がいくつかあり、ここでは不動産屋が俄然忙しくなって空いている部屋が次々と埋まっていきますが、逆にこれ以外の時期に部屋が空いてしまった場合、何らかの手を打たないと空室が長期化する恐れがあります。

◎不動産業界の「閑散期」

4月1日に新年度がスタートする場面が多い日本の場合、当然のことながら1~3月が最大の繁忙期になります。それ以外に公務員の人事異動が夏にあり、また筆者の個人的な印象としてはゴールデンウィークもバタバタしていた印象があります。

夏休みも終わってしまったこの時期は「閑散期」でお部屋探しをする人の数はぐっと減るため、少しでも物件を動かすため、不動産業者は様々なキャンペーンを企画して貸主に提案します。

◎「キャンペーン」の内容は主として3通りある

せっかくの投資物件も空き室になってしまえば収入はゼロであり、一方で経費は借主の有無にかかわらず常にかかってきます。貸主にとっては、長期間空き室になるくらいなら多少負担がかかっても埋めてしまう方がはるかにマシで、そのため様々な内容のキャンペーンを展開して借主や仲介業者にアピールしますが、ただし費用は全て貸主負担です。

広告料とも呼ばれ、客付けしてくれた仲介会社に対してバックマージンを支払います。

不動産業者がお客様から頂けるお金は契約成立時の仲介手数料しかありません。しかし仮にAD1か月という物件を成約すれば、仲介手数料とは別に賃料1か月分のお金が仲介会社に支払われます。

営業の給料は固定部分に売り上げに連動した歩合給を加えたものがほとんどで、給料を上げるためには売り上げを上げなければなりません。AD付き物件は1件の契約でより高額の売上となるため、仲介会社の営業がより熱心に借主に紹介してくれるようになります。

ADは仲介会社に対して支払うものですが、営業マン個人に対して直接支払う「たんぼ(担当者ボーナス)」という場合もあります。

〇フリーレント

金の力で仲介会社の営業を釣るのがADなら、借主を釣ろうとするのがフリーレントで、例えば「フリーレント1ヶ月」という場合は最初の1ヶ月は賃料の支払いが免除されます。

このような事例で短期で退去されるとたまったものではないため、1年以内の短期で退去する場合はフリーレント分を違約金として支払う旨の特約を入れることが一般的です。

〇賃料値下げ

どうしても借り手がつかない物件の場合、最後は賃料を下げるしかありません。ADやフリーレントの場合は貸主の負担額ははっきりとしていますが、賃料値下げは借主が退去するまで続くため収益に対するダメージもその分だけ大きくなります。

◎閑散期でもクリスマスを過ぎたら引っ越しは無理

これから年末までは不動産会社は閑散期ですが、クリスマスを過ぎた頃になると毎年必ず「どうしても年内に引っ越さなければならないんです!」という切羽詰まった声の電話がかかってきたものです。業者の多くが年末年始休暇に入る時期であるので絶対に無理な話であり、一旦吹き受けておいて「やはり無理でした」ということになると責任追及されかねず、いつもその場で断っていました。

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

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