【コラム】不動産投資 第二十話「壁芯と内法」鶴間正二郎

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

こんにちは、宅地建物取引士かつライターの鶴間正二郎です。不動産業界で19年間務めていたこともあり、裏も表も知り尽くしています。コラムでは、経験者だからわかる不動産の深い話をテーマとした記事を書いていきます。今回のテーマは、「壁芯と内法」。

■マンションにおいて室内の面積は2通りある

今回はマンションにおいて部屋の面積の表示方法についてご説明します。通常では新築マンションの販売は建物がまだ建築中の段階から始まっていますが、完成前では部屋の正確な面積を測定することはできません。そのため部屋の面積としては、図面上で計算した数値と完成後に測定した数値の2通り存在します。

◆マンションの部屋の広さには2通りある

マンションにおける部屋の面積で、壁の内側の寸法で計算された数値のことを内法(うちのり)と呼びます。自分が使用することができる部分の寸法で計算するので、これが部屋の実際の広さといってもよいと思います。

もう一つの数値として壁芯というものがありますが、これは壁や柱の厚みの中心線の部分の寸法で計算した面積のことです。当然のことながら壁の厚みの半分が部屋の面積に含まれることになるため、実際の部屋の広さとは誤差が生じます。

◆販売時の資料には壁芯の数値が記載されている

図面やパンフレットといったマンション販売時の資料において、部屋の面積は全て壁芯で計算した数値が記入されています。建築基準法においても床面積は「建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による」と定義され、建築確認申請をするときなども壁芯面積で床面積を求めています。実際に使用できない部分も含まれた壁芯の面積を使用するのはなぜなのでしょうか。

◆室内の寸法は完成後でなければ測定できない

壁や柱の中心部の寸法を測定することは現実問題として不可能であるため、壁芯というのは図面上でしか計算できない面積です。一方内法の面積を計算するためには部屋の内側の寸法を正確に測定することが必要ですが、コンクリートの厚みというものは図面と実際では誤差がつきものであり、正確な寸法というものは出来上がってからでなくては測定できません。

◆不動産取引において壁芯が利用される理由

マンションの場合、建物が完成するよりもはるかに以前からモデルルームを使用して販売活動が始まっています。まだ建設中の段階ですから室内の寸法を測定することなどできないため、面積に関しては壁芯によるものしか提示できません。

そのため図面やパンフレットといったマンション販売時の資料では全て壁芯で計算した面積が記入されており、そのため中古物件の取引においても壁芯の数値が引き続き使用されるのです。

しかし登記簿には完成後に測定された内法での面積が記載されています。

◆50㎡前後の部屋を検討する際には注意が必要

住宅の購入は税金の軽減措置の対象になりやすいのですが、その際に「専有面積50㎡以上」という条件が設けられている事例が数多くあります。この場合の専有面積は登記簿謄本の面積である内法で計算したものを意味しており、内法で50㎡以上ということは壁芯では53~55㎡以上あることが必要です。そのため50平米前後の部屋の購入を検討する場合は十分に注意してください。

 

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

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