【コラム】不動産投資 第二十三話「更新料」鶴間正二郎

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

こんにちは、宅地建物取引士かつライターの鶴間正二郎です。不動産業界で19年間務めていたこともあり、裏も表も知り尽くしています。コラムでは、経験者だからわかる不動産の深い話をテーマとした記事を書いていきます。今回のテーマは、「更新料」について。

■更新料

今回は賃貸物件で発生する更新料についてご説明します。更新のタイミングは住居費が急上昇して家計に与える影響も大きいことも多く、更新料というものは多くの人々の関心を集めやすい話題です。

◎更新料とは

更新料は賃貸借契約が満了して更新する際、借主から貸主に対して支払うお金です。契約書には必ず「更新」という項目があり、通常は「借主は、新賃料の1ヶ月分に相当する更新料を貸主に支払った上、更新できるものとする。」と書かれているものです。

更新料はこのように不動産取引において重要な事項ですが、法律や条例等において根拠となる規定は一切なく、これまでの商慣習に基づくものでしかありません

◎地域差が大きい

更新料首都圏の場合は「2年ごとに1ヶ月分の更新料」という場合がほとんどですが、大阪府と兵庫県はでは取らない場合が多く、その代わりに「敷引き」と呼ばれる償却方法を採用する事例が多いようです。同じ関西圏でも京都府になると状況は全然違っており、更新料に関しては1年ごとに1ヶ月分、あるいは2年ごとに2ヶ月分という契約が多いほか、1年ごとに2ヶ月分の更新料を必要とする契約もあるといいます。

◎更新料は何に使われる?

更新料に関しては何か特定の使い道がある訳ではなく、筆者が扱った事例においては全て家主と管理会社で折半しており、それぞれで売り上げとして計上していました。

更新に際しては賃借人に対する通知や更新契約の締結といった様々な事務手続きが発生するため、筆者は事務手数料というような感覚をもっています。

◎更新料は有効か無効か?

住居費というものは多くの家庭における支出の中で最も大きいものですが、特に更新の時は出費が跳ね上がることになり、多くの人の不平不満の種となっているようです。

ところで消費契約法の第10条で「消費者契約の条項で消費者の利益を一方的に害するものは無効とする。」と定められており、更新料はこれに該当して無効なのではないかという議論が以前から存在していました。

この問題に関しては平成23年7月15日に最高裁判所から判決が出され、「更新料は有効」ということで判例が確定しています。

◎更新時に賃料減額を申し入れられる場合もある

住居費が一時的に急上昇することになるため、更新料はネット上で頻繁に取り上げられています。

以前はそれこそ「法令違反でむこうだから『払いたくない』と明確に意思表示すれば払う必要はない」というような記事で満ち満ちていましたが、最高裁判決以降はさすがに落ち着き、「更新は家賃交渉の絶好のタイミング」というような捉え方をされるようになっています。

家賃が周辺相場と比べて明らかに高いと思われる場合、管理会社を通じて減額の申し入れがなされる場合もありますので、正当な内容であれば検討するようにしてください。

 

*次回のコラム更新は2019/1/10を予定しております。

 

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

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