【コラム】不動産投資 第二十四話「免震構造」鶴間正二郎

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

こんにちは、宅地建物取引士かつライターの鶴間正二郎です。不動産業界で19年間務めていたこともあり、裏も表も知り尽くしています。コラムでは、経験者だからわかる不動産の深い話をテーマとした記事を書いていきます。今回のテーマは、「免震構造」について。

■社会問題となっている「制震」と「免振」は「耐震」とどう違う?

油圧機器の大手メーカーによる免震・制振用オイルダンパーの検査データ改ざんが大きな社会問題となっています。世界でも有数の地震国である日本ではマンションでもしっかりとした地震対策をとることが絶対に必要ですが、その方法として3通りの考え方があります。

◎これまでの地震対策は「耐震」と「制振」

日本において建物の地震対策としてはこれまで「耐震」と「制振」が中心でした。

「耐震」は柱・梁を太く頑丈につくり、建物全体の強度を上げることにより揺れの力に立ち向かおうというもので、現在の建築基準法における「新耐震基準」もこの考えに基づいて設定されています。

日本におけるマンションのほとんどがこの方式で建てられています。

一方制震構造は地震のエネルギーを吸収するダンパーなどを建物内の骨組みの部分に設け、建物自体で振動や衝撃を吸収する構造となっています。油圧を使ったダンパーが地震の際にしなやかに動くことで地震の揺れを分散し、地震のエネルギーを「柳に風」で受け流すもので、主としてタワーマンションなどに採用されている方式です。

建物がしなやかに動いて地震のエネルギーを吸収するためには油圧が硬すぎも弱すぎもあってはならないことで、今回発覚した問題は深刻です。

◎積層ゴムがサスペンションのように作用する免震構造

免震構造は地面の上に免震装置を設置し、地震の揺れを吸収するというもので、一言でいえば「地震の揺れを建物に伝えない」という考え方に基づいています。

地面と建物を切り離しその間に積層ゴムを挟み込ませ、自動車のサスペンションのような役割を果たすことにより地震の揺れを建物に伝えないようにしています。

平成28年の熊本地震では16センチから90センチの幅で横揺れがあったことが記録されていますが、熊本市内の免震構造の建物ではこれを積層ゴムが全て吸収し、家具の転倒もほとんどなかったといいます。

◎実は東京駅にも導入されている

免震構造を導入した建物で最も有名なのが東京駅丸の内駅舎です。東京駅では平成19年4月から平成24年10月にかけて駅舎の保存復元工事を実施し、大正3年に開業した当時の姿を再現しましたが、その際に建物全体をジャッキで持ち上げて約350台の免振装置を設置し、巨大地震が発生しても耐えうるような構造に改められています。

◎今後は免振マンションも増加するはず

免震構造を採用したマンションはまだまだ少数ですが、巨大地震に対して有効であることが実証されていることから今後増えてくるとことが予想されます。地震で壊れてしまえば不動産は収益どころか巨大なお荷物となってしまうことから、今後の物件選びの際に注目してみてはいかがでしょうか。

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

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