【コラム】不動産投資 第二十七話「コンクリート」鶴間正二郎

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

こんにちは、宅地建物取引士かつライターの鶴間正二郎です。不動産業界で19年間務めていたこともあり、裏も表も知り尽くしています。コラムでは、経験者だからわかる不動産の深い話をテーマとした記事を書いていきます。今回のテーマは、「コンクリート」について。

■コンクリート

投資用物件として分譲マンションを購入する場合、その構造は「鉄筋コンクリート造(RC)」か「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)」のどちらかではないかと思います。今回はマンションを購入する際に是非知っておきたいコンクリートについて書いてみます。

◎弱点を補いあうことで強度を保つ鉄筋コンクリート

コンクリートの芯として鉄筋を配した構造を鉄筋コンクリート造といいます。まず鉄筋を筒状に組んで周囲に型枠をはめ、そこにコンクリートを流し込んで固まったら型枠を外します。

コンクリートは圧縮には大変に強いのですが、引っ張る力には弱いという弱点があります。そのため圧縮には弱いが引っ張りに強い鉄筋と組み合わせ、お互いの弱点を補いあうことによりあらゆる力に対して十分な強度を保つことができるようになりました。鉄は錆びると膨張しますが、弱アルカリ性のコンクリートで包むことによりこれを防止することができます。

鉄筋で組んだ筒の中心に鉄骨を入れるのが鉄骨鉄筋コンクリートで、強度は最強ですがその分だけコストがかかります。

◎外壁のタイルは鉄筋を守るため

鉄筋コンクリートは弱アルカリ性のコンクリートが内部の鉄筋を守っていますが、竣工してから年月が経過すると空気中の二酸化炭素や風雨による酸化によって弱アルカリ性が表面から徐々に失われていきます。

この現象を「中性化」と呼んでいますが、これが進行して鉄筋にまで到達してしまうと錆びてしまって膨張し、それによってコンクリートが剥がれ落ちる「爆裂」という現象が発生します。そのため建物の寿命を延ばすためには中性化の進行を少しでも遅らせる必要があります。

鉄筋コンクリート造の建物は外壁タイルや塗装などで表面を覆っている場合がほとんどですが、これはコンクリートを外気から遮断して中性化を少しでも遅らせるためのものであり、建物の見てくれをよくするためではありません。

マンションで10数年に一度の頻度で実施する大規模修繕工事も同様の狙いで行われるものです。

◎それならダムはどうなっているのか?

鉄筋コンクリートにとって風雨が大敵であることはすぐにわかりますが、「それならダムはどうなっているのか?」というのが筆者にとっての疑問でした。タイル貼りのダムなど存在しませんし、水を堰き止めることを目的としたダムは中性化の進行しやすさという点ではマンションの比ではないはずです。その答えは実に意外なもので、実はダムには鉄筋が入っていないといいます。

川の水を堰き止めるためのダムの場合コンクリートに求められるのは圧縮に対する強さだけであり、引っ張りに対する強さは一切必要ないということです。内部に鉄筋が無ければ中性化の進行を恐れる必要がないため、タイルや塗装によって外気から遮断する必要はありません。

セメントと砂と砂利だけでできているということになり、ダムはいわば巨大な石灰岩の塊ということになり、これなら何年たっても内部が劣化するということはないのです。

 

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鶴間 正二郎

1965年生まれ。宅地建物取引士。自動車業界で7年、不動産で19年の実務ののちライターとして活動。経験者だからわかる不動産の深い話をテーマに記事を投稿しています。趣味は御朱印集め。柔道弐段。

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