【コラム】【中国最新事情】中国に子会社を立ち上げるも(後編)

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中国と日本は地図上では隣にあると言ってもいいぐらい近い国。しかし文化は大きく違います。アセットカフェ編集部から、中国滞在経験のあるライターのBILLIKENが日本と中国の相違点についてお伝えしていきます。今回は中国の海岸沿いにある大都市にてスーパーを開業し運営しているFさんの失敗談を続いてご紹介。

異国でのスーパーの開業

Fさん(以下F):
数年前から、中国に赴任し、中国で合弁会社を設立して、海岸沿いにある大都市にてスーパーを開業し運営をおこなっています。

今回は実際にスーパーを運営し始めてからの出来事についてお話しいただきます。

F「私は、中国での会社の設立から、スーパーの開業に至るまで、さまざまな失敗や苦労を重ねてきましたが、印象に残っていることは中国人と日本人は、いまさらですが、まったく異なる民族だということです。私は、当初は日本人と中国人を同じ民族という感覚で接してきました。そして、それが大きな間違いだということを認識させられたのです。」

BILLIKEN(以下BI)「と言いますと?」

接客に関する考え方の相違に苦労

F「具体的には、現地のスーパーの従業員を採用し、研修を通じて人材を育成するプロセスでは、失敗の連続でした。日本での日本人の従業員は、正社員でもパート社員でも、研修においては会社が命ずることを、粛々と実行してくれます。そのことによって効率的なスーパーの業務運営を行うことができるようになります。そして、効率的な運営をおこなうことによって、売上高利益率の低いスーパー事業を黒字化することが可能となるのです。また、お客様に対する接客態度や言葉遣いも、研修では厳しく行います。従業員と顧客が対等な立場ということはありえません。」

F「中国の上海市でスーパーを開業することになったとき、3名の日本人管理職以外は、すべて現地で従業員を採用し、日本式の研修を実施しました。ところが、日本人従業員と異なり、中国人従業員は従順に研修を受け入れてくれないのです。具体的には、レジでお客様をお待たせしてしまった場合には、従業員が並んで待っていたお客様に「申し訳ございません、お待たせしました」と言わなければならないのですが、中国人従業員は「なぜ、客に謝らなければならないのか」と反論してくるのです。」

謝ることイコール敗北

BI「それはなぜですか?」

F「私たち日本人管理職が「客を待たせたのだから、謝るのです」と説明すると、中国人従業員は「客が財布からお金を取り出すのに時間がかかって、他の客が待たされても、私たちが謝らなければならないのか」と反論します。中国人には、自分たちからすすんで謝罪する行為そのものに、違和感を感じているようでした。長い時間、彼ら従業員と議論したところ、彼ら中国人は「謝ることイコール敗北」と認識しているようでした。」

BI「困りましたね。」

それでも伝え続ける

F「私たち日本人管理職は「謝ることは、負けを認めることではありません」と中国人従業員に伝え、「お待たせしたことについて、迷惑をかけて申し訳なかったということを、心をこめてお客に伝えることが大切なのです」と説明したのです。それでも、すぐには納得してもらえませんでしたが、数ヶ月かかって、やっと中国人従業員たちは私たちの商いのやり方を理解してくれました。お客に常に誠意を尽くすことによって、何回も反復してスーパーに来店してもらえるのだということを理解してもらったのです。」

BI「努力し続け、気持ちも伝わったわけですね。」

F「結論をいえば、研修を完了させるまで時間がかかってしまい、スーパーを新規開業させるまで、2ヶ月延期させざるをえませんでした。その間も人件費やスーパーの賃料は発生しましたから、黒字転換の時期を計画よりも延期させざるをえない、想定外の展開となったのでした。

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執筆:BILLIKEN

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