【News】アクセンチュアの最新調査によって邦銀は2025年までに200億ドルの決済収益を失う恐れがあることが判明

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AssetCafe編集部

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アクセンチュアの最新調査によると、デジタル決済の拡大やノンバンク企業との競争による決済手法やサービスの多様化によって邦銀は2025年までに決済収益全体の28%に相当する200億ドルが今後失われる可能性があることが明らかになった。

本調査によると、今後、日本国内の決済収益は年率2.6%で成長し、2019年の720億ドルから2025年には850億ドルまで拡大すると予想される。120億ドル規模の新たな決済収益市場で確実にシェアを獲得するためには、銀行は最新のテクノロジーを導入して革新的なビジネスモデルを早急に構築し、顧客への付加価値の高いサービス提供に重点的に取り組んでいくことが求められる。

「Payments Pulse Survey: Two Ways To Win(ペイメント・パルス・サーベイ:勝つための2つの方法)」と題した本調査は、アクセンチュアが開発した収益・リスク分析モデルに基づき、消費者の決済手段の傾向を測定し、商行為やテクノロジー、規制の変化を予測している。加えて、世界22カ国の銀行の決済担当役員240人を対象にアンケートを実施し、銀行が決済分野における創造的破壊の波をいかに乗り越えて成長に結びつけ、顧客のロイヤルティや収益、採算性を拡大させようとしているのかを見極めた。

さらに本調査では、今後、グローバル決済収益は2025年には2兆ドルを超えるまでに拡大し、銀行にとって5,000億ドル規模の新たなビジネスチャンスが生み出されると予想している。

アクセンチュア 金融サービス本部 銀行グループ統括 マネジング・ディレクターの宮良 浩二は次のように述べている。「デジタル化の加速に伴い、キャッシュレス決済の浸透が始まっているものの、国内では依然として現金決済の割合は高く、日本の決済市場は今後もデジタル化の余地が多分に残されている市場です。今後、実店舗やサービスにおける決済には、現金以外のさまざまな決済手法やサービスが拡充されていくことが予想されており、銀行は収益が減少する恐れもあり厳しい状況にあると言えます。しかし見方を変えれば、革新的なデジタル技術を活用した新たなビジネスモデルを導入し、消費者の利便性を第一に据えたサービスを積極的に取り入れることで、デジタル決済をリードする存在にもなりえることが可能であるとも言えるでしょう。」

本調査では、今後6年間で邦銀のカード取引や手数料による収益が一層圧迫され、決済業務による収益の21.1%が手数料無料の決済サービスによって失われる可能性があることを指摘しています。さらに、決済がモバイルアプリやデバイス上の「デジタル・ウォレット」の中で完結する決済分野でノンバンク企業と競争することによって、邦銀は収益の3.7%を失う可能性があることにも言及しています。加えて、資金決済や送金がリアルタイムで行われる即時決済の台頭によって、銀行のカード決済による収益はほぼゼロに等しくなるため、さらに決済収益の3.4%が失われる可能性もあると予測している。

規制が手数料引き下げの圧力を高め、新たなテクノロジーが決済分野で銀行がこれまで果たしてきた役割を担う中、決済手法やサービスの多様化は、銀行のカード取引や手数料による収益を減少させています。すでに2015年から2018年までの間に、グローバルにおける法人顧客のクレジットカード取引による収益は33%減と大幅に落ち込んでおり、消費者向けでもデビットカードでは15%近く、クレジットカードでは12%近く、収益が減少している。

日本における将来の決済収益のシナリオ日本における将来の決済収益のシナリオ

今回の調査ではまた、新しいテクノロジーに起因する、決済市場のこうしたさまざまな課題について、銀行業界がすでに認識していることも、判明している。調査対象となったグローバルの銀行幹部のうち71%が、「決済が無料化している」ことに同意し、73%が、「決済のほとんどがすでにデジタルで完結している、もしくは今後12カ月以内にそうなるだろう」と回答している。また、78%の幹部が「決済はすでに即時決済になっている、もしくは今後12カ月以内に即時決済になるだろう」と回答している。

市場のこうした重要な課題に関して、調査では18%が、銀行にとっての最優先課題は「リテール決済取引におけるセキュリティの構築」と回答している。また今後、高速でシームレスな決済フローのためにコアシステムに導入する必要のある重要なプラットフォーム・テクノロジーとして、22%の回答者が、「人工知能(AI)、ロボティクス、機械学習、革新的なペイメント・ハブ」を挙げている。

調査方法
「Accenture Global Payments Pulse Survey 2019(アクセンチュア・グローバル・ペイメント・パルス・サーベイ2019)」は、世界22カ国(日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国および香港、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、マレーシア、メキシコ、ノルウェー、シンガポール、スぺイン、スウェーデン、タイ、UAE、英国、米国)の大手銀行のリテールおよびコーポレート決済担当幹部240人を対象にしたアンケート調査結果を基に作成されている。調査は2019年2月14日から3月10日にかけてオンラインで実施した。95%の信頼水準の中央値における総合誤差範囲は±1.55%である。

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